空色
今日は3試合ある。


さっき一試合終わったから、あと二試合。


体育館の端っこで
試合の反省、よーするにミーティングが終わり、
十分間の休憩TIME。



その十分間は修羅場ですよ。
試合の応援をしてくれる人に囲まれて、

『水上さん、お疲れ様です。かっこよかったです!!』
『あのコレ使ってください!』(タオル差し出し)
隣のクラス、同じクラス、
後輩(一年&二年etc...)



はあぁぁぁ・・・・。




つ、疲れたぁぁぁああ・・・。
試合より遙かに疲れた。

座って、やっと去っていったファンを見送る。



『おつかれさん!誠。』
スポーツドリンクを持って、
近寄り、声をかけてきたのは大村国光。
同級生で、バスケ部員。


まだ入り口付近で騒いでいる女の子達を見て言う。

『大変だな、相変わらずモテてるし。』
「そう思うんなら男子バスケ部員の魅力で、あそこの女子持って行ってよ」





応援はありがたいけど、なんかイヤなんだ。





『ひでぇ事言うなぁ。これでも勧誘はしてるんだぜ?』



あたしの思い込みだろうけど。





ピィ――――――――――――――ッ


“集合”の合図。


『おっ、ほら行こうぜ。始まるぞ。』


先に走り出す国光、

立ち上がり、溜息を一つ。

そして


心の戦場に向かう。





< 3 / 155 >

この作品をシェア

pagetop