空色

『住宅街でこんな大声出すなよ。』

誠ならそう言ったはずだ。

俺がキレたとき止める誠は今
ここにいない。

陸の制服の胸ぐらをつかんで
怒鳴る。



長身とはいえ俺よりは身長の低い陸は  
つま先立ちで絞首刑になるのを
ぎりぎり回避している。



『やましいことは何もしてないよ?
 
 彼女に僕の気持ちを伝えただけさ。』




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