water song(みずうた)
「もー。リールさんてば!」

セリのじれたような声が耳元で聞こえ、慌てて顔をあげた。

(ち、ちかっ!)

思ったより近いセリの顔に驚く。

しゃがんで観察していた所を驚かされ、尻餅をついてしまう。
衝撃に顔をシカメつつも、別の事に頭がいく。

(そういえば、皆美形だな…)

サカナの街で分かったのだが、ガルンのような美形は、やはり珍しかった。

街の人は…まぁ、ぶっちゃけ普通の顔が多かった。標準より見目悪い人も、チラホラ街にいた。

なのに…なんで今、私の周りには美形しか居ないんだろ…。

セリは、正統派清純美少女(ツインテール標準装備)だし。

ミゲルは、全体的に精悍な顔立ちのなかに色気(?)のような甘さが漂った、色男だし。(街長も美形だった。変な甘さは無かったけど。ミゲルが軟派な美形で、街長が硬質な美形て感じ)

ゼルドさんは、ヘンなメガネの下は優しそうなお兄さん的な、柔らかな笑顔を常にたたえた顔。(何か企んでニヤニヤしてるのかも知れないけど)

上手く説明出来ないんだけど兎に角、皆見目麗しいのだ。

そんな人達ばかり、何故私の周りに集まってるのか、不思議すぎる…。

(皆不細工ばかりよりは良いけど…)
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