water song(みずうた)

05-03.新たな街と泉

ここ数日で大分馴れた、セリの体温が、私の手を引く。

「リールさん、ほら後少しですよ、頑張って!」


私は、相変わらず砂に足を取られて、よく転んだ。

そのたびに、近くの誰かが助け起こしてくれていたが、ここ数日は、セリが手を引いてくれる様になっている。


サカナを出て一週間。

あれから特に何事もなく、平穏無事な旅路だった。


「でっかい森。此処からでも見える」

「確か、あれは一本の木と聞いたね。」


ゼルドさんの言葉に、マジか?と、驚きの声を上げるミゲル。

先を歩いている二人には、既にジュモクが見えているらしい。

「ほら、リールさん。行きましょう」

うん、とセリに頷いて私は足を踏み出した。
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