water song(みずうた)
01-03.響く歌声と名前
あれから2日。
私達は、未だに砂漠をさ迷っていた。
ガルンは、砂漠を歩き馴れており、早く歩く事ができた。
しかし、私は何度も転び、その度に休憩する事になった。
幸い、今歩いている砂漠には廃墟が点在しているので、休む所には困らなかった。
移動は夜が多かった。
夜の移動は、大体、ガルンが変身し、私を肩に乗せてくれた。
二人きりの旅なので、自然と話題は身の上話や、今まで行った場所の話になった。
私には話せる事が無かったため、聞き役に回っていた。
何度目かの休憩の時、ガルンが突然言い出した。
因みに今は夜で、ガルンはケムクジャラだ。
「なぁ、お前、歌とか歌えるか?」
私は、呟いた。
「歌」
そして、浮かんだ言葉を無意識の内に口から紡いだ。
“
聴け癒やしの歌
奏でるはカインリール
星の瞬き月のため息
今はただ
悠久を渡る翼も
千里を見渡す瞳も
休めて漂え
…
”
奏でられた歌が夜気に散らされ、余韻に浸っていたガルンが、ハッと目を開く。
「なぁ、“カインリール”って、もしかして名前か?」
私は首を傾げた。
「わからない。
多分、決まり文句?」
私達は、未だに砂漠をさ迷っていた。
ガルンは、砂漠を歩き馴れており、早く歩く事ができた。
しかし、私は何度も転び、その度に休憩する事になった。
幸い、今歩いている砂漠には廃墟が点在しているので、休む所には困らなかった。
移動は夜が多かった。
夜の移動は、大体、ガルンが変身し、私を肩に乗せてくれた。
二人きりの旅なので、自然と話題は身の上話や、今まで行った場所の話になった。
私には話せる事が無かったため、聞き役に回っていた。
何度目かの休憩の時、ガルンが突然言い出した。
因みに今は夜で、ガルンはケムクジャラだ。
「なぁ、お前、歌とか歌えるか?」
私は、呟いた。
「歌」
そして、浮かんだ言葉を無意識の内に口から紡いだ。
“
聴け癒やしの歌
奏でるはカインリール
星の瞬き月のため息
今はただ
悠久を渡る翼も
千里を見渡す瞳も
休めて漂え
…
”
奏でられた歌が夜気に散らされ、余韻に浸っていたガルンが、ハッと目を開く。
「なぁ、“カインリール”って、もしかして名前か?」
私は首を傾げた。
「わからない。
多分、決まり文句?」