water song(みずうた)
「いや…。
お世辞…でないが…まぁ、歌だけでこんな効果が有るなんて、実際体験してみても信じられないし、気のせい…か」
ガルンは首を振り、立ち上がった。
「さて、行くか」
私はびっくりしてガルンを見上げる。
「ガルン、もっと休む。
水も飲んで」
ガルンは首を横に振った。
「いや、両方充分なんだ。
このままでも、後半日は走り続けられそうだ。」
さっきまで私を肩に乗せ、かなりの距離を移動してきたというのに。
「で、でも…」
「大丈夫、大丈夫。」
ガルンはそのまま私に手を伸ばし、肩に担ぎ上げ、荷物を手渡してきた。
昼間だったらともかく、夜のケムクジャラガルンは私には止められない。
私は渋々従った。
ガルンは手早く火の始末をし、私を肩に乗せて、軽快に走り出した。
++++++++++
月の砂漠を、銀の獣が駆けて行く。
それはまるで、昔語りのように幻想的な光景であった。
お世辞…でないが…まぁ、歌だけでこんな効果が有るなんて、実際体験してみても信じられないし、気のせい…か」
ガルンは首を振り、立ち上がった。
「さて、行くか」
私はびっくりしてガルンを見上げる。
「ガルン、もっと休む。
水も飲んで」
ガルンは首を横に振った。
「いや、両方充分なんだ。
このままでも、後半日は走り続けられそうだ。」
さっきまで私を肩に乗せ、かなりの距離を移動してきたというのに。
「で、でも…」
「大丈夫、大丈夫。」
ガルンはそのまま私に手を伸ばし、肩に担ぎ上げ、荷物を手渡してきた。
昼間だったらともかく、夜のケムクジャラガルンは私には止められない。
私は渋々従った。
ガルンは手早く火の始末をし、私を肩に乗せて、軽快に走り出した。
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月の砂漠を、銀の獣が駆けて行く。
それはまるで、昔語りのように幻想的な光景であった。