water song(みずうた)
頭に手を伸ばされ、ぐしゃぐしゃと撫でられた。

髪の毛と、かぶっていたフードが乱れる。

ガルンは、私の頭を撫でるのがクセになっている様だ。

「そうだな…。もうそろそろ見えて来てもおかしく無い筈だが」

ガルンは、額に手でひさしを作り、砂漠の先を見渡す。

私はまた、呼ばれたように感じ、そちらを向き、目を眇める。

「なんだ?
あっちに何か…あ、オアシスだな。」

「オアシス」

「ん?ああ、オアシスというのは…」

オアシスが何か分からないと勘違いしたのか、ガルンが説明を始める。

説明を遮る私。

「オアシスは分かる。呼ばれてる」

「呼んでるって、オアシスが…か?」

私は横に首を振る。

「分からない。
でも、あっち…」

「ふぅん。
とりあえず、休憩がてら見に行ってみるか。」

ガルンの問いかけに、今度は縦に首を振る。

そうして、私達は、オアシスのある方向へと歩き出した。
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