water song(みずうた)
「でも俺、拒絶されると燃えるんだけど」

(…ガルンさん、さっきからキャラ変わってます…)

ああ、でも。

(これが本来の姿かもしれない。)

ガルンは、最初の印象よりずっと若いのだ。

私を守るためにか、もしくは自分を守るためにか?

強がって、落ち着いた風を装っている。

それは、自分の事で手一杯の私には、都合が良かった。

ふとした時に見えていた、ガルンの不安げな表情を、私は今まで見ないふりをしていた。

他人の不安まで、抱え込みたく無いから。

蔦を剥がそうと奮闘していたガルンがこちらを向いた。

「リール、どうかしたのか?」

心の闇を見透かされた気がして、どき…とした。

動揺を隠し、答える。

「何でもない。」

ふと漏れた、漏らすつもりの無かった無意識の言葉。

「ここ…怖い」

ガルンは私に近づき、頭を乱暴に撫で、手を握りしめてくれた。

「大丈夫だ。俺が手を繋いでてやるから。」

(またガルンに頼ってしまった。)

いけないとは思うが、つい暖かい手のひらと笑顔に癒され、甘えてしまう。

「ちょっと休んだら、此処を離れよう。
この奥は気になるが、ここはリールにとってあまり良く無さそうだ…」
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