water song(みずうた)
蔦に触れた指先から、蔦の意志が私に流れてきた。
『歌って』
「歌」
呟くと、また私の中で自動的に構成され、唇からメロディーが零れだす。
“聴け蔦揺らしの歌
奏でるはカインリール
揺れよ蔦、思いのままに
揺れよ蔦、風に吹かれて
揺れよ蔦、時には儘ならぬとも
揺れよ、揺れよ、心のままに
揺れよ、揺れよ、我のために
揺れよ、揺れよ、汝のために
揺れよ、揺れよ、世界を揺らせ”
歌い終わると蔦は揺れだし、道を開けた。
その中に入ると、オアシスは粗く編まれた蔦でドーム状に閉じられ、不思議な空間を形成している事がわかった。
心が凪いでいく。
さっきの不安は、一種のバリアだったのかも知れない。
「ふぅ…」
ため息をつくと、ガルンがぐっと手を握りしめてきた。
「大丈夫、なのか?」
「大丈夫。」
不安そうに琥珀の瞳が揺れた。
「やっぱり、リールの歌、何か力があるみたいだな」
(本当に、私の歌の効果で、道が出来たの?)
蔦に触った時聞こえたのは、誰の…何の意志か…。
さっきは蔦だと思ったけど。
「わからない」
ただ、呼び声が近くなった事はわかった。
「あっち…」
『歌って』
「歌」
呟くと、また私の中で自動的に構成され、唇からメロディーが零れだす。
“聴け蔦揺らしの歌
奏でるはカインリール
揺れよ蔦、思いのままに
揺れよ蔦、風に吹かれて
揺れよ蔦、時には儘ならぬとも
揺れよ、揺れよ、心のままに
揺れよ、揺れよ、我のために
揺れよ、揺れよ、汝のために
揺れよ、揺れよ、世界を揺らせ”
歌い終わると蔦は揺れだし、道を開けた。
その中に入ると、オアシスは粗く編まれた蔦でドーム状に閉じられ、不思議な空間を形成している事がわかった。
心が凪いでいく。
さっきの不安は、一種のバリアだったのかも知れない。
「ふぅ…」
ため息をつくと、ガルンがぐっと手を握りしめてきた。
「大丈夫、なのか?」
「大丈夫。」
不安そうに琥珀の瞳が揺れた。
「やっぱり、リールの歌、何か力があるみたいだな」
(本当に、私の歌の効果で、道が出来たの?)
蔦に触った時聞こえたのは、誰の…何の意志か…。
さっきは蔦だと思ったけど。
「わからない」
ただ、呼び声が近くなった事はわかった。
「あっち…」