water song(みずうた)
「えーと」


歌印を持つ種族滅ぶ時、
世界は荒廃へと沈む

しかし嘆きの末に世界は、
二つの石を手に入れ、
その効力故に
歌印の不在を受け入れた

永の時が過ぎ
歌印を不要と断じた世界に、
やがて再び歌印が現れる

荒廃が日常化した世界は
再度の改革を嫌い、
歌印を拒む

歌印は世界を流れ
世界を知り、歌を辿り
やがて己が運命を知るだろう

それは、水歌(みずうた)と共に



「…て書いてあるみたいだが。なんかどっかで聞いた事あるな…。」

私は、石版に触れた時に止まった呼び声に首を傾げる。

(これを私に見せる為に呼んでいた?誰が?)

考えても、答えは見つからない。

私は泉の底から、青と透明の石を一つずつ拾い上げる。


ガルンが、命石を持っていないと言っていた事を思い出したのだ。

盗賊に捕まる直前に、無くしたそうだ。

「ガルン、命石」

「ああ、ありがとう。
でもどうするかな…。
俺、変身するとサイズが変わるし…」

私は、そこでかねてからの疑問を口にする。

「服、どうして破けない?」

「ああ、変身したとき?それはな…」
< 24 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop