water song(みずうた)
ガルンによると、ガルンが身につけている衣服は、着てる人のサイズに合わせて収縮する、特殊な製法で作られているそうだ。

ちょっと高いが、毎回服を買い換えるよりマシだから。

そう言って、ガルンは笑った。

「まぁ、変身前に脱いでおけば被害はないが、流石に下は脱げないし…かと言って着たままだと、破けるわ色々キツいわだし…」

ムーンラックも、様々苦労が有りそうだ。

泉から上がったガルンは、小袋を荷物から探し出し、それに命石を入れる事にしたようだ。

「で。結局石版しか無かったが、何がリールを呼んでいたんだろうな?」

「わからない。石版触って声が止まった」

「うーん、そうか…でも、この内容は…」

そこで何かに気が付いたらしいガルンが、ポンと膝を打つ。

「そうだ、これは…あれだ。“世界神話”の一部だ。

この世界に生きる奴らは、種族に関係なく、必ず洗礼の時に祭祀(サイシ)から“世界神話”を聞かされる。

戦争などで親を無くした子供でも、必ず一度は祭祀に呼ばれ、この話を聞かされる。

この世界の奴らで知らない人は居ないんじゃないか?

この世界神話だけは、どの地域に行っても同じだな。」

「私は知らなかった」
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