water song(みずうた)

01-05.霞む視界と街影

「お?意外といけるな。」

あの後、盗賊から奪った食料も残り少なくなっていた私達は、オアシスの森の中を探索してみた。

すると、拳大の赤い実が幾つか見つかった。

ガルンは見た事無いと言って警戒していた。

私は食べられるような気がしたので、そのまま口にいれた。

水とは違う、甘い果汁が口に広がり、喉を潤し、腹を満たす。

私の様子と、空腹に耐えられず、ガルンは恐る恐る実を口に運んだ。

その後、冒頭のセリフを呟き、一気にガツガツと食べ始めた。

++++++++++

満腹になった私達は、休憩後オアシスを探検した。

しかし、泉の石版と命石の他は、特にめぼしい物は見つけられなかった。

果実を幾つか摘み、砂漠を渡るための食料に追加する。

食料はだいぶ少なくなっており、「これからは節約して食べなければならないな。」というガルンの言葉に神妙に頷く。

それから夜になるのを待ち、私達は、再び街を探すため、オアシスを後にし、砂漠へと戻った。
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