water song(みずうた)
「ガルン…後で買い物行く」

「そうだな、リール何も持ってないから、色々買わなきゃな。まず、何が欲しいんだ?やっぱり鞄か?」

えーと。

「下着?」

ガルンが、固まった。

(私、何か悪い事言っただろうか?)

首を傾げて考えたが、答えは見つからなかった。

++++++++++

客室の掃除とベッドメイクを済ませ、女将さんから合格と幾らかの賃金を貰う。

記憶を失う前はどうだったかは知らないが、初めて自分で働いて手に入れた賃金に、心が弾む。

「そういや、その服、どうしたんだい?」

「あ…ガルン…連れが、着替えろって…」

「成る程ね…過保護だね。
ああ、貸したスカートと上着はあんたにあげるよ。
いらなかったら捨てて良いからね」

「嬉しい。大事にする」

答えると、女将さんは嬉しそうに笑った。

「さて。
もう昼すぎだね…昼にはちょっと遅いが、ご飯作るから、あんたの連れ、起こしてきなよ。
悪いけどワタシも一緒の席で食べるよ。
昼はサービスしてないし、何よりワタシはお腹ペコペコだからね」

「平気。皆で食べるの楽しい」

私はガルンを起こすため、階段を駆け上がった。
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