water song(みずうた)

02-03.珍妙雑貨と店長

カラン、カラン。

ベルの付いた扉を押し開ける。
逢魔が時という事もあり、店内は少し薄暗かった。

店には、生活に必要そうな様々な商品が並んでいた。

箒、ヤカン、コットンの布、ランプ、蛇の剥製。

…蛇の剥製?

不思議に思って、更に品物の観察を続ける。

椅子、ナイフ、造花、大きなお腹の狸の置物、『惚れ薬有りマス』の張り紙。

毛布、樹脂製や金属…銅、アルミ、鉄、真鍮各種…のコップやポットや鍋、風見鶏、仏像、鳥かごの様なものに入れられた拳大の緑色の毛玉。

戸口に下げるベル(おそらく店の入口に付いているのと同じもの)、植木鉢、革や麻製の鞄、財布、スリッパ、スケスケの…下着?

えーと。
取りあえず、私にも分かる事。

この店は何だかおかしい…ような気がするが、これが普通なのだろうか?

ガルンを見ると、彼は肩をすくめた。

店内にいる客は平然と、商品の品定めをしている。


皆が静かにしているのに、騒ぐのもおかしい。私は取りあえず、目的の毛布と杯を探す事にする。


「アイヤァ、お客さん、スゴいね」

突然上がった声にそちらを見ると、店の店員らしくエプロンと、何故か道化のような眼鏡をかけている男がいた。
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