water song(みずうた)
「デネ、その眼鏡でお客さんを見たんだけど、それがスゴいのスゴくないのって」

「どっちだよ…」

ガルンが疲れた声で突っ込む。

「ええとマア、スゴいんだけど」

「何がスゴいんだかさっぱりわからねぇよ。
そもそも、その眼鏡してないと見えないもんなんて、何か意味有るのか?」

「イヤイヤ、お客さん。
眼鏡無くても見える人には見えるのよ。
そっちのお嬢さんあたり見えそうなんだけど、どう?」

私は首を傾げた。

「具体的にどういうもの?」

「説明するの難しいね。
あ、あとね、お客さん、」

「あー。ガルンだ。」

「そう。ガルンさん。
見えないからって、バカにしちゃダメよ。
見えないからって、何もしないワケでないしね」

「何するんだ?」

「魔法使いなんかは、自分のパワーを彼らに差し出して、魔法使ってるね。物凄い昔は、嘘かホントか分からないけど、歌で彼らを使役する種族も居たそうよ。しかも自分のパワー使わないでね」

ちなみに、パワーとは、根性とか気力とか精神力とかそういうモノだそうだ。

「なんか俺らには関係無さそうだな。」

「それがね、お客さん…えーとガルンさん。そうでも無いね。特にそっちのお嬢さん。」
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