water song(みずうた)
そうかもな…それに、ガルンとはまだ知り合ったばかりで、そんな私が、彼の本質を理解出来ているとは烏滸(オコ)がましい考えだった。

気分を害したらしいガルンに謝る。

「ゴメン」

「いや、リールが悪いんじゃなくてだな…」

「お嬢さんはリールさんと言うのか。
面白い名前ね。」

「面白い?」

「そうそ。
ボクの祖父に昔聞いた事があるね。
どこの種族かは知らないけど、“リール”言うんは古い言葉で、えーと。

…そう、“血族”。」

「へぇ、じゃ、“カイン”は?」

ガルンが何食わぬ顔で尋ねた。

「それは、知らない。
固有名詞の可能性もあるね。」

血族…か。

『カインの血族』?さっぱりわけが解らない。

「ガルンさん達、何か訳有りってとこ?いいね、ワクワクしてきた。決めた、ボクも付いていくね!」

「はぁっ?付いて来るって、まさか、俺達の旅にか?」

「そうそ、コレでもボク、役に立つね。魔法も使えるし、知識も発明に必要で、カナリのものよ。」

立て板に水とばかりに、売り込みをしだした。

「だ、だって、お店」

「あ、大丈夫ね。ジルに任せるね」

ジルって…

「誰だ?それ。」

「ボクの妹ね。可愛いよ」
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