water song(みずうた)

02-05.宿の夕食と関係

どん。

「さぁさ、しっかり食べとくれ」

相変わらずの威勢の良い声と共に、テーブルの上にズラリとオススメ料理が並べられた。

考えてみると、三食とも宿屋でご飯だった。

(ま、美味しいから良いけど。)

今は、そんな事より。

「あの、ガルン…」

「はんだ?(モゴモゴ、ゴクリ)どうかしたのか?改まって。食わないのか?」

「あのね、一緒に旅するの、迷惑でない?」

は〜。
ガルンは深々と溜め息をついた。

や、やっぱり、さっきので呆れられたのだろうか…。それに、どう考えても、私…お荷物だ。

「リール、お前な、俺が迷惑と思ってるやつと、ずっと一緒に居る性格だと思うのか?」

「で、でも…私…何も出来ない」

「俺、言ったよな。
“その内思い出す、思い出さなくても、何か出来るようになる”って。

あれからそれ程時間経ってないし、まだまだ、コレから、だろ?それに、俺はお前を気に入った、とも。

そうそう、今日、お前に『この街で暮らすか?』て聞いた時にも、お前と別れるのは寂しいとまで言ったよな。」

そこまで一気に言ったガルンは、一度言葉を切り、杯のエールを飲み干した。
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