water song(みずうた)
「何だか解からないけど、話も纏(マト)まったところで〜カンパーイ!」

突然の声に驚き、そちらをみると、いつの間にか私達の座ったテーブルの側に、ゼルドさんが立って居た。
高々と、エールの入った杯を掲げて、輝くばかりの笑顔をたたえている。その笑顔には一点の曇りも見受けられない。

反対に、柔らかい笑みから一転して、どんより曇りまくった顔になったのはガルン。

「げ!なんであんた、此処に居るんだ。」

「アイヤア、ガルンさん、そんな嫌そうな顔、しないで欲しいね。仕事が終わったので一杯飲みに来たね。ガルンさん達見つけたのは偶然、やっぱりコレも運命ね。」

「こ、コラ、無理やり座ろうとしてんじゃねーよ、同席許した覚えはねぇ、リールも笑ってないで、追い払うの手伝え。」

「楽しそう」

「でしょ」
「楽しくなんかねぇ!」

ゼルドさんと話しているガルンは、いつもの落ち着いた口調や態度が抜け落ち、年相応にみえる。

「マァマァ、良い機会ね、僕達の親睦を深める。コレから旅をする仲だし。」

…や、やっぱりそれは決定なのだろうか。
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