water song(みずうた)
03.養殖場とギルドと石版

03-01.魚類知識と朝食

トントン。

私はガルンの泊まっている部屋の扉を叩いた。

「ガルン〜。朝ぁ〜」

カチャリ。
扉を開けたガルンはまだ寝ぼけ顔であった。

「はよ。早いな、リール。俺、まだ準備出来て無いから、先に下行ってて。」

くはぁ〜。

ガルンは大きな口を開けて欠伸をした。天使顔が台無しだ。

ついでに、わき腹をボリボリ掻いたのも、何処のオジサンか?と突っ込みたくなったが、とりあえず私は見なかった事にする。

しばらく二人で旅をしている間に、ガルンのオヤジ臭さには多少耐性が付いていた…というのもある。

私は、閉じられたガルンの部屋の扉に背を向けて、下の階へと向かう。

因みに、今日はスカートではなく、旅の間に着ていた服だ。

着慣れしているし、もしかすると、多少の荒事が有るかもしれない事、更にはナメられ無いため(これは良く解らないが、ガルンがそう言っていた)である。

余計なトラブルに巻き込まれるのは御免だし、着慣れている服の方が落ち着く。

ただ、洗濯の問題があるので、似たような着替えが欲しい。

(そうだ、仕事の賃金が貰えたら買おう)
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