water song(みずうた)
後ろでゼルドさんもチケットを買ったようだった。

ガルンはそれに気付き、慌て養殖場の入り口へと向かう。
手を捕まれたままの私も、少し引きずられながら、ガルンに続く。

「やだなぁ、ガルンさん。そんなに嫌わなくても良いね。」

爽やかに笑いながら、追いかけて来るゼルドさん。

ゼルドさんは、それ程スピードを出しているように見えないというのに、走るまではいないがかなりのスピードの私達との距離は、開かない…どころか逆に縮まっていく。

「チケットを拝見…」

ガルンは、言いかけた係の人に2人分(高速で私のチケットを奪った)のチケットを押し付け、チェックを受けて、もぎ取り、早足で養殖場へと駆け込んだ。
< 71 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop