water song(みずうた)
「ガルン、落ち着いて」
血走った目で私を見るガルン。ゼルドさんの事が、よっぽどイヤなようだ。
だけど、そのせいでせっかくの機会を台無しにされるのはお断りだ。私はガルンの説得を試みる事にした。
「養殖場、ちゃんと見学したい」
その言葉にはっとするガルン。ゼルドさんが視界から消えたのも、ガルンが我に返る要因となったかもしれない。
「あ…、そ、そうだよな。わ、わりぃ。何か焦っちまって」
「漬け込まれる」
「何かどうも、あいつの顔見るとカッとなるというか…」
ガルンはため息を付いた。
「情けないとこ、見せたな…」
言いながら、ガルンは私の手を離した。薄れる体温が、少しだけ寂しかった。
パシャン。
水音にそちらを見ると、係の人が丁度餌をまいている所だった。
水魚達が勢い良く餌に群がっている。
「沢山いる」
我先にと餌に食らいついている。沢山の生きている水魚が珍しく、思わず見入るガルンと私。
「あんだけ水魚いたら、毎日食い放題だなぁ…」
ガルンがウットリした顔で呟いた。何というか、ガルンらしい感想だ。
「ガルンさんは色気より食い気ね。僕は、あれだけ多くの水魚を一つ所で育てる技術の方が…」
血走った目で私を見るガルン。ゼルドさんの事が、よっぽどイヤなようだ。
だけど、そのせいでせっかくの機会を台無しにされるのはお断りだ。私はガルンの説得を試みる事にした。
「養殖場、ちゃんと見学したい」
その言葉にはっとするガルン。ゼルドさんが視界から消えたのも、ガルンが我に返る要因となったかもしれない。
「あ…、そ、そうだよな。わ、わりぃ。何か焦っちまって」
「漬け込まれる」
「何かどうも、あいつの顔見るとカッとなるというか…」
ガルンはため息を付いた。
「情けないとこ、見せたな…」
言いながら、ガルンは私の手を離した。薄れる体温が、少しだけ寂しかった。
パシャン。
水音にそちらを見ると、係の人が丁度餌をまいている所だった。
水魚達が勢い良く餌に群がっている。
「沢山いる」
我先にと餌に食らいついている。沢山の生きている水魚が珍しく、思わず見入るガルンと私。
「あんだけ水魚いたら、毎日食い放題だなぁ…」
ガルンがウットリした顔で呟いた。何というか、ガルンらしい感想だ。
「ガルンさんは色気より食い気ね。僕は、あれだけ多くの水魚を一つ所で育てる技術の方が…」