water song(みずうた)
「で…だ。いい加減鬼ごっこも水魚にも飽きたし、そろそろ昼飯にして、ギルドに行こうと思うんだが。」


キョロキョロと辺りを見回し、ゼルドさんが居ないのを確認したガルンが、ため息を尽きながら言った。

「そうだね…」

私は水魚をぼんやり眺めながら同意する。

「なんだ?リールは、まだ水魚見たいのか?」

私は首を振る。

「違うよ」

今聞こえた、『中央広場の噴水は行ったのか?』という問いが、誰のものなのか考えていただけだ。

ガルンには聞こえ無かったようだ。

「中央広場の噴水…て?」

「どうした?いきなり?
中央広場の噴水って、あれだろ…。どの街にもあるやつ。
命石を無償で配布している施設。要らなくなった命石を返したりもするな」

それがどうかしたのか?

不思議そうにガルンがたずねたが、私は答える術をもたない。

首をふり、何でもないと伝える。

(とりあえず、昼御飯とギルドが先かな…)

私はガルンと共に、水魚たちに別れを告げた。
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