「「お前が…」」 (龍太郎&修司)
練習が始まると慶悟は真剣な顔をして、
根井も真剣な顔をする。
今慶悟は吉村工業から来た市川に投げてて、
根井は明に投げてる。
いつもはその逆なのにな。
「矢野!!」
北橋の矢野は最後の夏にまた肘を壊してそのまま北橋は俺らに負けた。
矢野はそれから北橋の投手の指導者になったらしく、今日も練習を見にきている。
北橋からはレギュラー全員集合。
城南からはほとんど。
俺はセカンドで、
市別レギュラーは俺、北橋の西田、楢橋の畝川、吉村工業の兵藤。
の4人。
その中で俺はベンチ入りが確定している。
でも練習はするし、自主練はするし、筋トレするし、勉強するし……。
だって……俺、野球やんの……今回で最後だから。
家の…蕎麦屋を継ぐことが幼い頃の夢で、
そのために俺は今まで頑張ったし、そのために……
後悔しないように頑張って……
練習したし……。
それに試合をするなら“勝利”のほうがいいから。
「10分休憩!!休憩後には守備練全員!!」
「「「「「はいっ!!!!」」」」」
最後の試合には――――
やっぱり“勝利”がいいから。
「修司!!」
お前の名前を呼んで練習しよう。