Bitter Chocolate
 「あ…大槻、さみーだろ?ちょっと待っててコーヒーぐらい御馳走っすっから」

 流石に時間が時間で家に招き入れるのはちょっとためらったけどこんな寒い中、プレゼントを持ってきてくれた大槻をそのまま帰したくなくて俺は思いつきのままそんな言葉を口にする。

 しかし大槻はちょっと困った風に、でも少しだけ嬉しそうに首を横に振った。



 「いいの、こんな遅くにお邪魔するのも悪いし…それに時間が、ないから」

 「…そっか。そう、だよな。もう日付変わりそうだし」

 「うん、ごめんね」

 「いーよ。じゃ、お礼はホワイトデー…じゃなくていいか。月曜にするな」


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