Bitter Chocolate
 別に悔しいとか情けないなんて気持ちは無い。

 お礼に気を使う必要もないし…。


 そんな風に己を納得させる理由をを考えていると一階にいるお袋が大声で俺を呼んだ。



 「孝明ー!あんたにお客さんー!!」



 階段の下から叫ぶお袋の声にうんざりしながら俺は部屋から出て階段に向かう。



 「はぁ?何だよこんな時間に?」

 「大槻さんって子。チョコ私に来たんじゃないの?」



 お袋のその一言に俺ははぁ?と素っ頓狂な声を上げた。
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