BLUE

段ボールの中の子犬は
無邪気にしっぽを振りながら
モモちゃんの手に撫でられてた


「アオ…

ごめん…」


予想外の言葉に
何て言っていいのか
分からない


「え…?」


「ごめんアオ」


「俺…
アオが好きだよ
…すごく大切にしたい」


「モモちゃん…」


「…でも俺にはアオを
幸せにしてあげれない

…俺といるとアオは傷ついて
ばっかりなんだよ…」


「そんなあたし…」

「だから

…だからもう
会わない方がいいんだよ

店にも行かない
―屋上にも

どこかで会っても
知らないふりすればいい


…簡単だよ
お互い元に戻るだけだ」


「モモちゃ…」

「いいから!

…もう遅い 帰れ」

「モモちゃん!!」

「早く帰れよ!!」


モモちゃん…

あたしもう…必要ない…?

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