ツンデレ彼女を監禁して
「む、私だってきちんと作るわよ。ただ玉ねぎって、切るの嫌なのよね。臭いし、目に染みるし。だから、あんたに頼んでんの」


つまりは、汚れ役か


反論は……ありもしないので、とりあえずは玉ねぎをみじん切りにする訳だが


トン、トン、ズコ

みたいなリズム感で玉ねぎを切っていれば


「下手くそ」


横からそう言われてしまった


確かに、自分でも下手くそだと思う


トン、トンと遅いし、終いにはズコッ、だ


手は切りはしないも、滑る切り方


はあ、と大袈裟なため息をつきながら、彼女は俺から包丁を取った


貸してというその動作

嫌だと言いながら、彼女は玉ねぎのみじん切りを始めた


トトトトン、トトトトン

は、早い
リズムもよく、かなり丁寧な切り方だ


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