ツンデレ彼女を監禁して
手には皿二つ


テーブルにそれが置かれるなり、俺は愕然とした


「は、半熟じゃねえかっ」


トロットロの卵
レストラン系でしか見れないような半熟卵


言葉をなくす
わなわなと、体が震えるよう


「何よ。半熟、嫌いなの?」


「ちがっ。いや、お前本当に天才だよ。一人暮らししてから久々に見た、こんな美味しそうなやつ」


俺はこんなもんは作れない


それをものの数分でやってのけた彼女は、感激を通り越して尊敬する


数分で俺が作れるのは、カップめんだ


ジャンクフードで出来た体に入る、久々の手料理


「いただきまーす」


スプーンを持ち、がぶりと食べた訳だが


美味いの一言


どっかのテレビみたく、見た目だけがよくて味地獄なんてことはなく

見た目通りに、絶品と名の付くものだった


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