ツンデレ彼女を監禁して
住宅地であるここに車が通るのは珍しくないけど、ついつい車に目がいってしまった


今時、スバル360(てんとう虫)だなんて珍しいな


感慨深げにその車は俺の横を通り過ぎ――絶句した


車が止まった
で、車庫に入るわけだが、場所がこの家の車庫


まずいまずいまずいっ


塀にもたれていただらけきった体を、しゃんと伸ばした


きりーつっ、きおつけっ、ここで敬礼をすれば軍人なのだが


俺が相手をする人は、正にそれをしたくなる人だった


「おっ。誰かと思えば、セイギ君じゃねえか」


車から出て来た人は、俺を見るなりに近付いてきた


てんとう虫が似合うおじさん


軽く無精髭があろうとも、そのおじさんには似合ってしまう



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