ツンデレ彼女を監禁して



(二)


その日の昼

彼女は少々深刻な顔をしていた


昨日みたく、ベッドに背をもたれて座っているのだが


苛つくというよりは、どこか悲しみを交えた表情


理由は分からないが、原因は彼女が持っているケータイだ


……監禁してんのに、外部と通信させるなんておかしいが、止めろとは言えないのが本音である


言った瞬間、サマーソルトをやられても不思議じゃないかもしれない


「何か、あったのか?」


あまりにもいつもと違うから、ついつい口を出してしまった


「友達が……」


ケータイに視線を送ったまま、寂しげな一言を聞いた


友達
何だろうか、風邪引いたぐらいじゃああも落ち込まないだろう


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