ツンデレ彼女を監禁して


「……あ、ああそうだな。美味かったか、クッキー」


「はいっ、すげー美味かったです!愛情の味がしました」


「……お前の為にじゃないだろうが………」


「へ?何か言いましたか、先輩」


「いや、独り言だ。――まあ、ともかくも。あんまり彼女に、『嫌な思い』をさせるなよ。

いきなり手を繋いだりも避けた方がいい」


その事実には絶句した


手すらも繋いじゃいけないって……確かに繋ぐと手首を捻られるから怖いけど……でも


「俺、ただでさえ我慢しているのに耐えられません……」


しくしくとしていれば、先輩はまた肩を叩いて


「我慢しろ」


……慰めてはくれなかった


「そ、そんなぁ」


「日が経てば、どうとでもなるさ。その分、きちんとお前が愛せばいいだけの話。

彼女が喜ぶようなことは、会う度にしてやれよ。例えば、綺麗なったとか、愛しているとか、些細なことから初めてもいいから」


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