ツンデレ彼女を監禁して
ふざけたことを思っていれば、額に冷たさを感じた


「風邪薬ある?」


そう濡らしたタオルを俺の額に置いて、彼女はそんなことを聞いてきた


何だか、泣けてきた


病気の時――弱っている時、こうも優しくされるのは


ナースは、白衣の天使らしい


彼女はと言えば、白衣の女神だ


それぐらい、今の彼女はまぶしかった


「――ちょっと、あるの?」


「あ、ああ。いや、ないな」


「どっちよ」


「俺、風邪引かないから置いてなかった」


「そう。まあ、最近は床上で、毛布一枚で寝てたからね……。風邪引くのも時間の問題だったか」

「…………。いや、多分昨日、チョコパイを――ごほっ、あー、気持ち悪っ」


原因の訂正を求めようとしたが、睨まれた


なので、言わなかったことにしておく


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