愛しいひと
今日から新しい学校へ転入する。
それと同時に一人暮らしも始めた。
高校3年生の5月後半。
この時期に転校はめずらしい。
しかし葵は前の学校がそこまで気に入っていたわけではない。
寧ろいたくないという思いの方が大きかった。
だって・・・
あの場所は嫌でも思い出させるから・・・
あーだめだ。
頭を軽く叩く。
これ以上思い出さないように、思考にストップをかける。
顔をあげると目の前には既に学校がせまっていた。
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