愛しいひと
「わーっ!!ごめんっ!大丈夫!?」
謝って心配しているあたりから、葵に向けた言葉だろう。
葵は振り返らず一歩足を進めた。
目の前に転がっているバスケットボールを拾い上げる。
両手でしっかりと掴むと、ふっと笑みが浮かんだ。
懐かしい感触・・・
ゆっくり振り返ると心配した顔の男が立っていた。
身長は170センチくらい。
髪はワックスで立たせてあり、制服は着崩してある。
モテそうな感じ。
世間で言うイケメンだと思う。
「ごめん、痛かったよね??」
身長の低い葵の顔を覗き込むように尋ねてくる。
本当に心配しているようだ。
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