君と僕<短編>
もう一度、部屋に戻ってギターを握る。
君の為に、あと五日で曲を書かないと。
不思議と、あまり焦りはなかった。
焦ると、良い曲が書けないっていうのもあるけど、理由はそれだけじゃなさそうだ。
とにかく、ゆっくりゆっくり君の為の曲を紡いでいった。
4月4日
朝10:00に目を覚まし、起きてすぐにギターを握る。
今日までに、曲はだいたい完成した。
あとは、練習のみ。
「ふぁー!」
あくび混じりにギターを掻き鳴らし、寝ぼけ眼で譜面をめくる。
詞は、結構いい感じの内容だと思う。
よっし!
俺の一斉一大のイベントか、あと少しで幕を開けようとしていた。
初めて伝えるんだ。
僕の君に対する、素直な想い。
ワクワクとドキドキで、心臓は今、忙しいだろうなって思うけど、とにかく、なんかスペシャルな日になりそうだ。
がんばろう
そして、とりあえず顔を洗おうか。