君と僕<短編>
僕は、君とマスターと幸絵さんの・・・いわゆる三角関係を、カヤの外で、ただじっと見ているだけのちっぽけな人間だった。
僕が知らない間に、君がそんな気持ちを抱えていたなんて・・・ショックだったけど。
君は、
僕といる時ぐらいは、ちゃんと笑っていただろうか。
「僕は・・・きっと、その話に入っていい人間じゃないけど、笑ったり泣いたり、自分が思ってること、僕の前では出していいから」
君の顔を見れず、前だけを見て言った。
辛かったね、
よく頑張ったね、
なんて、
僕には言えない
そんな、人事みたいにして・・・そんな、ちっぽけな言葉で済ませたら、なんか良くないと思ったから
僕は、元々ちっぽけな奴で
だけど、こうなったら、いつまでもちっぽけでいる訳にもいかない。
これは
君と、マスターと、幸絵さんの
三人だけの話じゃないんだ。
僕は、ドラマでいう
主人公にただ、想いを寄せるだけの男じゃなくて
こんな僕にだって
ちゃんとした
役目ってもんがあるんだ。
だからさ、ただの脇役だった僕が、ヒロインを絶対に振り向かせるんだ。
絶対に、幸せにしたい。
僕と出会って、恋に落ちた事を、絶対、君に後悔させたくないんだ。
だから、
僕も素直になろう