君と僕<短編>



君の両親が、少し前に亡くなったから、葬式をする金もなく、ただ、ぼーっとする日々が続いた。


ふと、テーブルに乗っている君の携帯を開く。


メールを見た。


幸絵さんから、何通ものメール。

その内容を見て、愕然とした。


「あたしは、あんたさえいなければ心おきなく純也と仲良くできるのに」

とか

「あんたは、彼氏なんか作ったってどうせ純也のことがまだ好きなんでしょ?」

とか、


全部が嫌がらせメールだった。


ずっと、ずっと、抱えてたんだ。


気付かなくてごめん。


ずっと近くにいたはずなのに、何で・・・・


僕は、その携帯をポケットにしまって車に乗った。


行き先は、


カフェ関だ。


何をするかって・・・?

別にこのメールの内容をマスターに見せたり、幸絵さんを殴りつけたりする訳じゃない。


ただ、


カフェ関に行くのだ。




カランコロンカラン



君と、よく座っていた席。


そこに座って、コーヒーとカレーライスを注文した。


すぐに、注文した物がテーブルに届く。


マスターは、遠くから、僕のことを見ていた。


まずはコーヒーを一口。


ゴク


うん、相変わらずうまい。


続いて、カレーライス。


このカレーは、この前、君が作ったものによく似ていた。


美味しいって事だ。


あっという間にぺろりと平らげると同時に、店の扉が開いた。


カランコロンカラン


僕は、気にせず、食後のコーヒーを飲んでいた。


すると、いきなり、誰かが僕の肩を叩く。


「ん・・・?」


そこにいたのは、君だった。


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