君と僕<短編>



嘘・・だろ・・・


僕にも、霊が見えるようになっちゃったんだ・・・と軽くショックを受けていた。


でも、君は・・・


「太郎・・・びっくりした?」

って、無邪気に笑う。


するとマスターも、笑いながら、僕の所に来た。


「まんまと騙されたね!」


ど・・・どういうことだ・・・?


訳も分からず、目を白黒させる。


「騙しちゃってごめんね。あたし、太郎にサプライズしたかったんだ!だって今日は、太郎の・・・」


僕の・・・・


あっ、そういえば


「誕生日だ・・・」


自然に涙が溢れた。


君が、生きてた。

そして君を強く抱きしめた。


「よかった・・・よかった」

声が出ない。

本当に、

本当に、

よかった・・・・。


すると彼女は、突然マスターの耳元に何やら耳打ちをした。

マスターは、笑顔で頷いて店の奥に消えた。


「なに・・・?」

「ふふ、内緒!」


君は、嬉しそうだった。


なんか、力が抜けてしまった。


「ねぇ、そういえばいつから僕の事騙してたんだ?」


「うーんと、太郎、この前のあたしの誕生日に大きいテディベアくれたでしょ?あれから、あたしも太郎の誕生日には絶対サプライズしようって決めてて・・・・基本的に、全部嘘だったんだ!」


君は、恐ろしいほど満面の笑みを浮かべていた。


「全部って・・・君とマスターが前付き合ってたっていうのも?」


「うん、嘘!まぁ、幸絵と純也が付き合ってるってのは本当だけどね。だから、そのメールも嘘だよ」


こえー


「でも、順子、スゴイ泣いてたよね。」


「うん、あたし泣きまね上手いから!」


やっぱ女って、


こえー


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