君と僕<短編>
2.
とにかく歌いたかった。
同時に、でっかくなりたかった。
だから上京して、そしたら君に出会った。
場所は、カフェ関。
だからきっと、君も僕と付き合おうって思ったのかな。
君はその日もアップルパイとコーヒーを注文していた。
美味しそうに食べてて・・・完全に目を奪われた。
言うまでもなく一目惚れだった。
なぜか、体が勝手に動いて君に声をかけてた。
そしたら、やっぱりすごく可愛かった。
顔だけじゃなく性格も。
それから、メアドを交換してめでたく同棲までこぎつけた。
そんな僕の頭に、今ちらついているのは「結婚」の二文字だった。
来週の月曜日にある路上ライブの日、プロポーズをしよう。
その日のライブは、僕が初めて作った曲を披露する場でもあった。
絶対に、失敗できない。
今日もギターを握り、掻き鳴らす。