恋文~指輪が紡ぐ物語~
花乃は気持ちの整理がつかないまま、学校を休んで今日で二日目になった。
どうしていいのか分からない。
頭が上手く働かなくて、自分がどうすればいいのか分からない。普通に考えれば、学校へ行かなきゃいけないと分かっているのに、どうしても気持ちがついていかない。
志穂は花乃の事を心配してるだろう。志穂になんて説明すればいいのか分からない。松岡に会いに行った後に急に学校を休んだのだ。もしかしたら、すでに松岡になにか聞きに行っているかもしれない。
こんな時、まっすぐで強い志穂ならどうするんだろう? 花乃は想像してみたけど、全く思い浮かばなかった。
浩介からの手紙には
『僕は花乃ちゃんに幸せになってもらいたい。だから、僕のことは気に病まないで幸せになってください。素直でまっすぐな花乃ちゃんが大好きだったよ。だから、花乃ちゃんは自分の気持ちに素直に生きてね』
と、書いてあったけど、花乃は自分の素直な気持ちが分からない。
それに、気に病まないわけない。だって、ずっと浩介は忘れずにいてくれたのに、ベビーリングを見ても思い出せなかった。
――大切なものだったのに。
そして、きっと花乃が浩介を忘れていた事で、松岡の事も傷付けた。
いろんな思いが頭の中いっぱいで整理がつかない。自分の素直な気持ちが見つけられない。