恋文~指輪が紡ぐ物語~
「さぁて、今日はどうする? テストも終わった事だし、ぱーっと遊びにでも行く?」
花乃は真面目な顔になり、姿勢を正して志穂を見て言った。
「しーちゃん、話聞いてくれる? まだ自分の中で整理できてないから、上手く話せないと思うけど」
「花乃が話したいなら、もちろん聞くよ。でも、無理に話さなくてもいいからね」
花乃にとって志穂は、ずっと姉のような存在だった。同じ年齢ではあるけれど、しっかりしていて頼りになって、いつも見守っていてくれる。
学校を休んだ後も、何も聞かなかった。それが、志穂の優しさなのだとずっと一緒に居る花乃には分かっている。だから志穂の隣は居心地がよくて甘えてしまう。
「ありがとう、しーちゃん。でも、話したい。聞いてほしいの。ひとりじゃどうしていいかわかんない」
「わかった。じゃあ、行ってみたいカフェがあるんだけど、そこでいい?」
「うん」