あたしの余命はあと半年
つまり、完治は有り得ない…か。

あたし、何でこんなに冷静なの?
癌なんだよ?
なのに、どうしてこんなに冷静なんだろう…。

「うわぁぁぁぁ…」

お母さんはこんなに動揺してるのに、あたしどうしてこんな冷静なの?

-信じてない?

…いや。信じてる。


-人事だと思ってる?

…いや。これは、紛れも無くあたしの病気。


-現実逃避?

…ううん。むしろ受け止めちゃってる。



「ねえ、先生。入院って…辛い?」


「うん。辛いね。でも、それを我慢すれば絶対に、光は見えるよ。」


先生は、そう言って優しく微笑んだ

その瞳があまりにも優しくて、この人となら病気と闘えるような気がした。

ただの気のせいかもしれない。でも、信じてみたかった。
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