私は俺で俺は私？

私は俺 俺は私

柔らかな　春の日差しが部屋に差し込む。
春の訪れを感じる　ある豪邸の部屋では

カジュアルなスカートを履いた
初老の男性がいすの上で本を読んでいた。

ベージュのズボンを履いて
黒いトレーナを着た初老の女性は
部屋の庭でゴルフの練習をしている。

初老の男性は本を閉じ
「もう、３５年ですね。アノ日から、、」
と　呟いた。

それに答えるように初老の女性が
「あぁ。　早いな。もう３５年か。」
と　返事をした。

しばらくの沈黙を破ったのは
メイドの由美だった。

「ご主人様、奥様、お時間でございます。」
由美の言葉にゴルフをしていた
初老の女性は部屋に入ってきた。

「奥様は婦人会の集まりに。」
「はい」
と返事をしたのは初老の男性だった。

「ご主人様は社長会議ですね。」
「分かった。」
と返事をしたのは初老の女性。

「４５分後に出発いたしますので、ご準備を。」
由美の言葉で２人は自分の部屋へと向かった。

３０分後