出会う確率の方程式
勇気がテレパシーを送った瞬間、

階段の一番下に、メグが現れた。

「久し振りね」

メグは勇気を見上げながら、笑いかけた。

「恵美!」

勇気は階段の途中で、足を止めた。

と同時に、目の前の空間まで、メグが瞬間移動してきた。

「勇気」

空中に浮かびながら、顔を近付けるメグに、勇気は舌打ちした。

「この時間で、力を使うなんて!」

「フン!」

メグは鼻を鳴らすと顔を離し、一気に上空へと飛翔した。

「クソ!」

勇気は、真上を見上げた。

綺麗な満月のそばに、大きな雲が浮かんでいた。

そこに向かって、メグが猛スピードで飛んでいくのが見えた。
< 104 / 290 >

この作品をシェア

pagetop