出会う確率の方程式
「ーったく、嫌になるよね。この辺りってさ…何もないだよなあ〜!そう言えば…学校もないんだよね。一番近いのが、優女で…向こうの土手をずっと先にいったところに、南高があるぐらいだよね。」

メグはため息をつき、

「だからか知らないけど、うちってさ!同じ学校でできちゃうのが、多いのよね。他校とのコンパなんてきいたことないよ!嫌だ、嫌だ!近場ですましちゃうって!」


メグと2人で並んで帰る道…。

都市の中心部から離れた住宅街。

そのさらに奥に広がる田畑を、横切るように流れる川の土手を越えたところに、ひっそりと建っている川西高校。


あたしの通う高校…。

校門を左に曲がり、真っ直ぐに二百メートル歩いて、やっと駅に着く。

緩やかな登り坂の為、帰りは…少し足取りが遅い。

「でもさ…」

メグが、あたしの顔を覗き込んだ。

「高橋くんは別よ」

夢見る少女いっぱいで、メグは両腕を組み、うんうんと頷いた。
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