出会う確率の方程式
メグは、勇気の姿が確認できなくなると、

真上の月を見上げた。


「綺麗…」

月を見つめていると、自然と涙が流れた。

自分の時代に見ることができる月は、

ただ絶望しか感じさせなかったから。

メグは涙を拭うことなく、嗚咽した。

「ううう…」

自分の存在が、消えることを恐れてはいなかった。

メグがここにいるのは、そんな理由ではなかった。


「あんたの意見に誰も、反論しなかったのは、あんたが特別な存在だから」
< 120 / 290 >

この作品をシェア

pagetop