出会う確率の方程式
「フン」

鼻を鳴らすと、切った携帯を閉じたメグは、屋上のフェンスの隙間から、下を見下ろした。

「時祭!」

苦々しく、渡り廊下の手摺にもたれるユウヤを睨んだ。

「やあ」

時祭は屋上を見上げており、メグに手を振った。

夜になり、静まり返った学校は、時祭の声を屋上に届けることができた。

「こっちに来ないかい?今は、生徒と教師のフリをやめてさ」

「チッ!」

メグの姿が屋上から消えると、ユウヤの後ろに現れた。

「どうしても、お前がここにいる!」

メグの手が輝き、ユウヤの背中に向けられた。
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