出会う確率の方程式
あたしからのメールを受信した携帯の画面を見て、

メグは笑った。

「これで、役者は揃うわね」

しばし携帯の画面を見つめた後、あたしに待っていると返事を打ったメグは、携帯を高橋に投げ返した。

「変な邪魔が入る前に、さっさとすますわよ」

メグは、学校から少し離れた土手の下にいた。

下を流れる川まで、結構な深さがあるが、

夕方までは散歩コースとして利用する人が多い。

しかし、日が落ちると、

街灯が上にしかない為、川沿いは真っ暗になってしまう。

そんな場所に、メグと高橋はいたのだ。

「あなたの役目は、わかってるわね?」

メグの言葉に、高橋はああと頷いた。

しかし、返事をした高橋の様子が少しおかしかった。

まるで、催眠術にかかったように、目をトロンとさせている高橋を見て、

メグは鼻を鳴らした。

「フン!まあいいわ」

それから、そばの草むらに向って、にやりと笑った。
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