出会う確率の方程式
「高橋くん。ごめん!」

あたしは土手を降りると、高橋のもとに駆け寄った。

本当なら、話しにくい相手なんだけど…

今は、メグのことがあるから、そんなことを気にしてる場合ではない。

「メグは、ここからどっちに行ったの?」


「…」

あたしが声をかけても、高橋はこたえない。

少し俯いている為、高橋の表情がわからない。


「高橋くん?」

あたしは訝しげに、高橋の顔を覗き込もうとした。
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