出会う確率の方程式
「え?」

驚くあたしに、勇気は優しく笑いかけた。

「でも、心配しないで…。あんなミュータントに、無理矢理目覚めさせられたやつになんて、負けないよ」


「負けないだと?」

高橋は血走った目を見開きながら、勇気に向かってくる。

「その程度の力をしか使えない貴様が!ミュータントの創造主になる僕に!」


「勇気!」

あたしは無意識だけど、ずっと彼を呼び捨てにしていた。


高橋の両手が光った。

そして、あたしのような普通の人間でもわかるくらいの殺傷力のある光線を放った。
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